順天堂大学の谷川武教授、和田裕雄先任准教授らは22日、都内で会見し、飲食店などを対象とした新型コロナウイルス感染症対策指針案を策定したと発表した。現地調査と聞き取りによって明らかになった課題に基づき、4つの対策を明示。今後、自治体や飲食店などとともに、対策の効果を検証していく。その結果を踏まえ、年内をめどにガイドラインとして公表したい考えだ。

 東京・銀座地区にあるレストランや居酒屋、バー、クラブ、キャバクラなど約20店舗を視察し、そこから浮かび上がってきた課題を踏まえてまとめた。①食後談笑時のマスク着用②人前での喫煙禁止③高い頻度での手指消毒④換気の徹底-の4つが柱。その内容に基づき、各店舗での取り組み状況を4段階で格付けし、「見える化」することも構想している。

 マスク着用や消毒、換気といった従来の取り組みに加え、喫煙禁止を入れたのがポイント。喫煙時の呼吸活動によって、感染リスクが高まる可能性を織り込んだ。タバコは換気の良い場所で1人ですべきとした。

 早ければ来月にも検証を始める。指針案に盛り込んだ対策を行うことで、感染が発生しないかどうか、客がどの程度にまで戻るかなど複数の観点で評価する。銀座を中心とした飲食店のほか、ホテルやデパートなどの商業施設も参加する見通し。銀座を擁する中央区などとも連携し、検証に必要な換気設備の導入支援も求めていく。

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