AGCは20日、スイス創薬ベンチャーのモレキュラー・パートナーズ社から新型コロナウイルス感染症の治療薬候補の製造を受託したと発表した。AGCがコロナ関連の治療薬やワクチンの製造を受託するのは公表ずみ案件で5件目。モレキュラー社は2020年後半に治験を開始する。

 AGC子会社のAGCバイオロジクスがドイツかデンマークの拠点で製造する。モレキュラー社の治療薬候補「MP0420」は分子の小さいたんぱく質。新型ウイルスの細胞表面に突起状にでているスパイクたんぱく質に特異的に結合して治療や予防の効果を発揮する。

 AGCバイオは微生物を使ってたんぱく質を培養し、治験用に100リットルおよび1000リットルのバイオリアクターを用いるという。AGCは16~17年にかけて独バイオミーバや米CMCバイオロジクスを買収し、バイオ医薬品製造の技術基盤や量産拠点を獲得した。

 AGCはコロナ関連の治療薬やワクチンを日米欧の企業から受託製造している。国内では治験が始まったアンジェスのワクチン中間体の製造を請け負う。

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