米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、新型コロナウイルスワクチンを日本でも開発する。同社は今週から最初の臨床試験を欧米で始める。これと並行して日本でも試験を始める。開始時期や症例数の規模などは非開示。16日に開催した決算説明会で明らかにした。海外報道によると、ワクチンの配分について日本政府との協議も行っているもよう。

 同社のコロナワクチンで最初の臨床試験となる第1/2a相臨床試験(P1/2a)を22日から始める。まずベルギーで開始し、その後に米国でも症例登録を始める。目標症例数は約1000例。両国以外でも開発に着手し、日本でP1、オランダ、スペイン、ドイツでP2を行う。J&J傘下のヤンセンファーマ日本法人によると、「日本で治験を準備していることは事実だが、詳細については現時点で非開示」という。

 P1/2aの速報結果は9月後半に出る予定で、同月中にはP3を始める意向。遅くとも年明けにはP3の結果が判明し、来年の早い時期にワクチン供給を始めたいとしている。

 他社のコロナワクチンは2週間間隔で2回接種する方法で開発されているものが多いが、J&Jは高用量を1回接種し、1、2年後にブースター接種する方法も検討する。米国食品医薬品局(FDA)はコロナワクチンの承認基準として、有効率50%以上を臨床試験で証明することを求めているが、ポール・ストッフェルス最高科学責任者(CSO)は説明会で、「少なくとも70、80%のレベルを目指したい」と語った。

 J&Jは来年末までに10億接種分以上を供給する計画だ。ロイター通信によると、日本政府や米ビル&メリンダ・ゲイツ財団ともワクチン配分について協議している。

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新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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