国立国際医療研究センター(NCGM)国際感染症センターは、新型コロナウイルス感染症からの回復者に対して、血しょう提供(成分献血)の呼びかけを始めた。備蓄を行い、感染者の治療に用いる計画。回復した患者の血液中には免疫によってできたさまざまな抗体があり、患者に投与すると治療療効果が期待できる。今後、治療法の開発を進めるうえで必要な量の確保を目指す。

 協力を求めるのは、新型コロナウイルス感染症から回復した20~69歳の男女。男性で45キログラム以上、女性で40キログラム以上の体重が必要。新型コロナウイルス感染症以外の感染症にかかっていないなどの条件がある。

 まず抗体検査を実施し、十分な量があるかどうかを判定する。ELISA法と中和活性という2つの方法で抗体検査を実施。より精度の高い方法を使うため、抗体が十分だと分かった場合は体重50キログラム以上で400ミリリットルの血しょう採取をする。

 検査から血漿採取まで最大で90日を見込む。同センター全体では50~100人の血しょうを採取する計画だ。血しょうを投与する治療法の研究は、2023年3月末までを予定している。

 回復した患者から採取した血しょうを投与する治療法については、中国をはじめ海外でも開発が進む。今春、NCGMも同療法の臨床研究を始める方針を打ち出していた。

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