参天製薬は12日、同日付で伊藤毅副社長が社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格する人事を決めたと発表した。谷内樹生前社長兼CEOが一身上の都合を理由に、辞意を表明したため。取締役も辞任する。13日に電話形式で会見した伊藤新社長は、「再成長できる会社だと確信している。その道筋を作るのが責務だ」と述べ、足踏みを続ける業績の立て直しに力を尽くす考えだ。

 株価も低迷するなか、参天が抱えている問題に関して、「取り組みが拡散してしまっている。優先順位を付けていくことが弱くなっている」と指摘。経営資源の分散が生じていることを課題に挙げた。そのため、重要業績評価指標(KPI)マネジメントの徹底などを通じ、これまでの取り組みを見直していく計画だ。自らの経営方針については、「適切な時期に説明する」とした。

 併せて、担当してきた国内医薬品事業で業績を伸ばしてきたことを強調。そのノウハウを海外事業にも展開し、「効率性、生産性を高めていきたい」ともした。中国事業ではすでに導入しており、「着実な成果を感じている」。他の国・地域でも行っていくとともに、成長シナリオ策定の検討を始めていることも明かした。

 <略歴>
 伊藤毅氏(いとう・たけし)1982年(昭和57年)関西学院大学理学部卒、同年参天製薬入社。2012年(平成24年)執行役員、14年常務執行役員、16年専務執行役員、17年取締役専務執行役員、22年代表取締役副社長。大阪府出身、63歳。

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

セミナーイベント情報はこちら

新社長の最新記事もっと見る