日本化学会会長に就任した東京大学の菅裕明教授は25日、オンラインで会見した。菅会長は日本化学会の役割は「将来の化学者の育成支援の場、アカデミアと産業界の交流の場」であり、「炭素資源を循環できる持続可能な社会の構築が最も重要なミッション」と語った。基礎研究の深耕がなければ社会を大きく変える「破壊的イノベーションは起きない」と強調。今後のイノベーション創出で強力な原動力となる、あらゆる知識を結集する「総合知」では「化学がその中心となる」とした。

 菅氏は東大大学院理学系研究科化学専攻教授。岡山大学・大学院を経て米国マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得した。ペプチド研究から生まれた知見でスタートアップ企業を立ち上げるなど、基礎研究から社会実装まで幅広いステージでの研究に取り組んでいる。今年3月には、科学技術振興機構(JST)の橋本和仁理事長(前物質・材料研究機構理事長)の後任として内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の有識者議員に就いた。

 日本化学会は同日、定時社員総会、その後、理事会を開催、小林喜光氏(三菱ケミカルホールディングス取締役、東京電力会長)の後任会長に菅氏を選出した。任期は2年間。

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