秋競馬の話題の中心は無敗で2冠を制して3冠に挑む2頭の3歳馬。牡馬コントレイルと牝馬デアリングタクト。無敗でクラシック3冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)になった牡馬は2頭で、シンボリルドルフとコントレイルの父であるディープインパクト。無敗の牝馬3冠(桜花賞、オークス、秋華賞)は過去にいなかった▼秋華賞はデアリングタクトが見事な勝利を飾った。単勝オッズは1・4倍。牝馬3冠は前例がないだけに、信頼されすぎていると思ったが杞憂に終わった▼コントレイルは前哨戦の神戸新聞杯で強さを見せつけて勝利。こちらの単勝オッズは1・1倍。25日の菊花賞でも圧倒的な人気になるだろう。少額を賭けて楽しむ身としては2・3着に妙味のある馬を探すことになる▼栄冠に輝く馬がいる半面、1勝に手が届かない馬も多くいる。競走馬は毎年7000頭強誕生しているのだ。JRAでは6月に始まる2歳のデビュー戦から出世を目指す戦いが続く。1勝すれば選択肢が広がるが、翌年の夏競馬の3歳未勝利戦までに勝てなければ茨の道が待ち受ける▼地方競馬に移籍できれば幸せな方かもしれない。若くして引退を余儀なくされ行き場を失う馬も少なくない。残酷な勝負の世界だが、何とかセカンドライフを過ごして欲しいと願わずにはいられない。 (20・10・23)

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