臨床検査薬メーカーのカイノスは、3種類の新型コロナウイルス感染症の検査試薬を同時に発売する。6月に新型ウイルスの遺伝子の有無を試験紙で簡便に調べられる検査試薬を発売し、抗原検査薬と抗体検査薬も投入する。コロナ検査体制の一層の拡充が求められていることに対応する。 

 発売するコロナ遺伝子検査薬は自社開発した「NASBA核酸クロマト法」と呼ぶ技術を用いた。PCRと同じ位置づけの検査だが、高額な遺伝子検査装置を使わなくてすみ、試験紙だけで感染の有無を60分で判別できる。1月に体外診断用医薬品として承認申請しており、今月に見込む承認取得と保険適用を経て販売する。 

 試験紙を使ったコロナ遺伝子検査薬は国内初とみられる。鼻咽頭から採取した検体や試薬をチューブ容器に入れて核酸を抽出。チューブ容器に試験紙を浸して持ち上げ、発色を見て診断する。医療機関に一般的に配備されている加温装置があれば検査できるので、手軽に遺伝子検査が行える。

 抗原検査薬と抗体検査も投入する。抗原検査薬はすでに複数の品目が承認されているが、海外からの輸入品も多い。カイノスは自社開発品を体外診断薬として製品化する。抗体検査は国立医薬品食品衛生研究所の評価で良好な性能が確認されており、研究用試薬として普及を進める。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

 

新型コロナウイルスの最新記事もっと見る