経営コンサルティング業務を展開するアーサー・D・リトルは、「新型コロナウイルス危機の中での事業運営‥香港、イタリア、シンガポールの経験から得られた最初の教訓」報告書にまとめ公開した。同ウイルス蔓延初期に、アジアとイタリアで通信、運輸、ユーティリティーといった基幹インフラサービスを提供していた企業のCEOの知見をまとめた初の報告書で、目先の利益より従業員を優先することや、部下に権限を委譲すること、政府・関連当局・地域社会と密接に協力する、などといった施策を推奨している。

 同報告書によれば、注力すべき施策は5項目。①迅速に行動して、最悪を想定し、包括的に対応。第一に従業員の安全確保、次に事業継続に取り組む②CEOは自身の時間の大半を従業員とのコミュニケーションに費やし、前向きな意識を持たせ士気を高める。相手の話をよく聞く③重要業務の担当部門を物理的に分割して2チーム体制にする。サプライヤーや、エコシステムを構成している提携先を支援する。新しい手法も活用しながら資金繰りを確保④政府や関連当局と協力する。労働組合と協力する。地域社会を支える⑤実現可能な事業復興計画の策定を直ちに開始し、終息後の「新常態」から創出される機会を有利に活用する-。

 また、デジタルツールを活用し、感度の高いリスク管理システムを構築。社内オペレーションから社外のサプライチェーンまで管理することなどを推奨している。本報告書は無料で公開した。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

新型コロナウイルスの最新記事もっと見る