日本学術会議など先進7カ国首脳会議(G7サミット)の各国学術会議(科学アカデミー)を中心に構成するGサイエンス学術会議は、世界規模で流行が拡大している新型コロナウイルス感染症に関し緊急的な国際協力の必要性を世界の科学者集団としてまとめた。強調するのは感染拡大防止や治療に関する科学的根拠(エビデンス)に基づく透明性のある意思疎通(情報の共有)、直面する課題の解決を前進させる共同研究、医療現場の質を維持する品質基準など。G7サイエンス学術会議がG7サミットに先立ち、各国首脳への科学的な政策提言を目的に策定する共同声明に盛り込む。

 国際協力の緊急性として挙がるのは6項目。ロシア、韓国、ブラジル、ナイジェリアなどを含め、15組織が署名した。感染伝播、潜伏期間、致死率など疫学的な知見の獲得や共有、治療薬の研究開発の実施、生産過程を含めた関連機器や医療対応能力の確保に関する規制や品質基準、各国の政策の分析、科学者集団としての情報発信などが骨子となる。

 また、今後は公衆衛生や医療基盤が整っていないアフリカ、アジア、中南米をはじめとする発展途上地域における急速な蔓延を危惧する。ただ、大都市圏の脆弱な地域の人々も例外ではなく、危険にさらされているとした。

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