丸善薬品産業(大阪市中央区、柳原大輔社長)は、弱酸性次亜塩素酸をベースとした除菌消臭製品の取り扱いを本格化する。同製品は一般的な次亜塩素酸水に比べ長期保存が可能なうえ、除菌・消臭力に優れるのが特徴。噴霧器で空間噴霧すれば、ウイルス・アレル物質の除去や室内消臭に効果を発揮する。新型コロナウイルス感染拡大にともない除菌関連製品の需要拡大が予測されるなか、同社ではライフサイエンス事業における新たな柱として幅広い用途に展開、年間10億円の売上高を目指す。
 同社は化学品を中心に建設資材、ファインマテリアル、食品、電子材料、ライフサイエンス、アグリなど広範囲な領域で事業を展開する専門商社。
 同社が本格販売する除菌消臭製品「ジーミスト」は、衛生関連製品などを製造販売するユニトライク(新潟県新潟市、村上秀樹社長)が次亜塩素酸をベースに作製した除菌消臭水。ユニトライクが製造特許を有する新しい次亜塩素酸水は、電荷を付与したフィルターで濾過し不純物を除去したもので、6カ月以上の長期保存が可能。従来の次亜塩素酸水で課題となっていた時間経過、温度変化による濃度低下が起こりにくいという。
 希釈の必要がなく瞬時に除菌・消臭するうえ、菌やウイルスに反応すると水に戻るため安心して使用できる。また、水道水レベルの極微量のナトリウムで次亜塩素酸の除菌力を保持していることから、これまで噴霧器などで心配だった錆や塩分の結晶化も少ない。
 主な用途は超音波式噴霧器のほか、自動除菌液噴霧器や便座クリーナーなどの衛生機器。新型コロナウイルス感染拡大の影響により需要が大幅に増加しており、すでに鉄道施設や医療、介護施設などで使用されている。
 丸善薬品産業は今後、OEM(相手先ブランドによる生産)供給を通じて、感染予防ビジネス立ち上げにつなげていく方針で、製品ラインアップも順次拡充していく。

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