人と人の接触機会8割削減、職場への出勤者7割削減-。新型コロナウイルス感染拡大に向けて、政府がさまざまな要請を出している。ニュースの映像を見ていると、繁華街などは明らかに人が減っていることが分かるが、職種や職場の事情で出勤しなければならない人も少なからずいる▼内閣官房のホームページでは、感染症対策のコーナーで東京の主要駅における人の流れをデータで示している(午前6時~午後6時の累積値)。週明けの13日は前日に比べて東京駅が266・9%増となったのをはじめ新橋駅、品川駅が3倍以上の値となった▼やはり日曜日並みに人出を減らすのは難しいということだろう。緊急事態宣言(7日)直前との比較ではいずれも40%台の減少となっており、一定の成果は出ているのかもしれないが▼外出自粛にともなって通販やテイクアウトに頼る「巣ごもり需要」が拡大しているが、その一方で宅配業者の業務が増大しているようだ。物流関連は出勤者を減らすことが難しい典型的な現場仕事の一つであろう。あちらを立てればこちらが立たずで何とも悩ましい▼緊急事態宣言の措置は来月6日まで。1カ月にわたる長期戦は折り返し点の手前だ。マラソンと同じく先を見据えることを忘れず、まずは足元でできることをしっかり行っていくしかない。(20・4・17)

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