塩野義製薬は16日、米国の研究ネットワークと共同で、開発中の新型コロナウイルス感染症経口薬「S-217622」の海外最終治験を行うと発表した。欧州、北米、南米、アフリカ、アジアで実施し、約1700人の患者登録を予定。発症5日以内の患者に1日1回、5日間投与し、有効性と安全性を評価する。先月に申請した日本に続き、海外でも承認取得を目指す。

 米国の国立アレルギー・感染症研究所が支援する研究ネットワーク「ACTG」と協力し、海外でも最終段階となる治験を進める。同国政府からの支援も受けつつ、ACTGが主体となって実施していく。これまで塩野義が中心となって行ってきた日本での第2/3相臨床試験(P2/3)の良好な抗ウイルス効果を踏まえ、米国食品医薬品局(FDA)が実施を承認した。

 一つ以上の重症化リスク因子を持つ外来患者が対象となり、48週間の多施設共同、無作為化、二重盲検比較試験として行う。治療薬投与群とプラセボ群の割合は2対1。主要評価項目の評価は29日までで、その後、48週目までは安全性と、発症後の後遺症について継続調査する。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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