富士通の健康管理チャットボットが自治体の新型コロナウイルス感染症対策に活用されている。宮城県は、患者の接触者の健康観察システムに採用。長崎県は、病床の状況管理モニタリングや長崎市内に停泊中のクルーズ船船員の健康チェックに利用している。各自治体は、効率的な情報管理システムの運用による早期収束を目指している。

 宮城県は、富士通のAI(人工知能)チャットボット「CHORDSHIP(コードシップ)」を活用し、デジタルコンサルティング、有人チャット対応と組み合わせたサービスを導入。接触者自身がスマートフォンのチャットボットアプリから症状を入力すると、国立感染症研究所が示す健康観察内容に沿った接触者の健康状態を収集・把握し、システムで一元管理する。

 長崎県は、クルーズ船に搭乗している船員の健康管理に英語版を活用。各船員がアプリに入力した健康状態の情報一覧を1日2回報告。船医が診療のスクリーニングに使用している。

 健康管理チャットボット開発者の一人である長崎大学熱帯医学研究所の山藤栄一郎医師は、富士通の新型コロナウイルス感染症対策チームと毎日情報交換し、現場で必要な改善点を反映。「感染者の重症化リスクを船外の支援拠点でも把握し、入院が必要な際の受け入れ側準備にも役立てている」としている。

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