韓国の新興企業が次々に新型コロナウイルス対策アプリを開発している。感染者の移動の追跡・更新、近隣の薬局におけるマスク在庫情報のリアルタイム更新、自己隔離および感染が疑われる人と濃厚接触した人の監視、自己診断などのアプリが多数リリースされている。スマートフォンにダウンロードするだけで、誰でも簡単に使うことができる。順次アップデートしていき、さらなる機能向上を図る。また日本企業との業務提携や協業の機会も模索している。
 Tina3dが開発した「Crona100M」は、100メートル以内に新型コロナウイルス感染者が確認されるとアラームがなる。感染者の国籍・性別・年齢・感染者が訪れた場所をみることができる。自身の現在の位置と感染者が訪れた場所を確認することも可能。
 HANDASOFTが開発した「Corona100Shin」は、感染者の行動履歴をマッピングする。近くのクリニック情報や新型コロナウイルスのニュースをリアルタイムで更新することもできる。
 新型コロナウイルスの感染拡大によって、急速に生活必需品となったマスク情報を提供するアプリも増えている。VINAが開発した「Kind Doctor」は近くの薬局におけるリアルタイムマスク情報を提供する。夜間や週末に開店している薬局、クリニックを併せて紹介する。
 一方、Junnyung Heoは自己診断アプリを開発した。新型コロナウイルスの症状を分類する。ユーザーの脈拍、血圧、呼吸、体温その他から感染の疑いがあるか、また重症の度合いをみることができる。この他、自己診断に役立つアンケートフォーム、安全と予防情報の提供、安全なクリニックを紹介するアプリを開発する新興企業が増えている。
 韓国は住宅、交通、安心・安全、産業など都市を構成するあらゆるものを同一のプラットホームで管理するスマートシティーを第4次産業革命の中核に据えている。その一環で、ソウルおよび近郊に人工知能(AI)やビッグデータのイノベーションを創出するための施設を設け、育成に力を入れている。その他支援策も用意している。
 こうした背景から、新興企業は素早く新型コロナウイルス対策アプリを開発することができたと考えられる。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)を通し、日本やその他外国企業とのマッチングを推進している。

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