【上海支局】日中経済協会北京事務所と中国日本商会は、新型コロナウイルスの感染拡大に対する事業所の対応状況について、北京市内の日系企業にアンケート調査を実施した。従業員をすべて出勤させている企業が5割を超え、操業再開・稼働率も前年比60%以上とする事業所が8割超に達するなど改善傾向がみられた。もっとも、いぜんとして操業規制などに直面しており、本格回復にむけては道半ばであることもうかがえる。

 アンケートの実施期間は3月26日午後3時半から27日の正午まで。中国日本商会の市内法人会員539社に案内し、111件の有効回答を得た。アンケートは9回目。
 事業所への出勤体制については「原則として全員出勤(時差出勤、交代勤務含む)」が59件と53・6%を占めた。「原則として全員を在宅勤務(または一部を休暇)」も20%に上った。
 出勤できない社員がいる理由(複数回答可)として、「事業所の所在する地区による出入規制、50%規制」が62%を占めており、自由回答でも「市外から帰京した現地スタッフは自宅観察期間を終了して出勤が可能になった者もいるが、勤務出入場制限(50%)のため、全員出社できていない」との意見がある。また、「従業員の健康や業務量を考慮した自社判断」も47%に上った。
 一時帰国中の日本人駐在員全員が北京に戻る予定時期については、「目下、一時帰国している日本人駐在員はいない」が51・4%だった。現在は中国政府が入境規制を敷いているため、「未定・検討中」も28・8%あった。
 北京で工場や店舗を営む事業者に対し、3月の前年同月比稼働率を問う設問では「61~80%」が43・5%、「81~100%」が34・8%だった。他方、6割以下も2割強あった。稼働率が100%に満たない理由(複数回答可)としては「国内需要減」が56・5%、「操業規制」が43・5%と上位を占めた。
 北京市市外への出張に関する要望やコメントでは、商社から「天津や河北省に日帰り出張した場合でも北京に戻ると14日間の自宅隔離があるため、北京から出られず、業務に支障をきたしている」といった声が挙げられた。

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