新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっており、いまだ収束の気配はない。韓国は2月に感染者数が拡大したものの、その後は的確な処置によって新規感染者数を押さえ込むことに成功している。日本を含む各国とのビジネスを推進する大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の権坪五社長がこのほど、すべてのパートナーに向けてメッセージを送った。
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 韓国は、高レベルの防疫や保健医療能力に基づき、今回の新型コロナウイルスの事態に断固として対処している。2月に一時的に感染患者が急増したが、これは特定の地域、特定のグループによる集団感染に起因している。しかし、これまで防疫ラインを強固にした結果、3月中旬以降、1日あたりの感染患者増加数が2ケタに減少し、完治者数が感染患者数を上回るなど安定化段階に入っている。
 新型コロナウイルスの拡散を防ぐために、韓国政府は防疫努力の一環として、市民が社会との距離を置くことを推奨している。また、ドライブスルー・ワーキングスルー、移動診療所などの革新的手法を通じて1日に1万9000人を診断し、新規感染者を迅速に把握、感染拡散を最小限に抑えることに成功した。このような努力は、世界保健機関(WHO)などの国際社会と各国のメディアにより新型コロナウイルス終息のための模範事例として注目されている。
 新型コロナウイルスは、個人の幸福はもちろん、各国企業のビジネスと経済活動も大きく制約している。KOTRAは貿易投資振興のための、韓国政府機関として新型コロナウイルスの危機的な状況においても、各国の企業が必要な国際的なビジネス活動を継続できるように支援している。
 出入国と対面事業活動が困難な状況において、KOTRAはテレビ会議やオンラインマーケティングなどを通じて、海外のバイヤーと韓国企業間のパートナー発掘、協力増進をサポートしている。
 現在、各国に防疫のために多くの需要が発生している保健医療や衛生防疫用品はもちろん、生産活動に支障が発生している素材部品装置、このほか消費財、ICT(情報通信技術)などの分野の製品の調達をサポートしている。また、韓国の投資振興機関であるKOTRAのInvest KOREAでは、新型コロナウイルス事態に対応し、韓国に投資した外国人投資企業が直面している困難を積極的に解消している。KOTRAは、海外84カ国・127の貿易館を運営しており、これら貿易館は韓国企業とのビジネスにおいて強固な架け橋としての役割を果たしている。
 新型コロナウイルスの不確実性と高い感染率は、私たちのすべてを萎縮させていることは事実。英国のチャーチルは「楽観主義者は危機の中でチャンスを見て、悲観主義者は機会の中で危機を見る」と言った。大変な時期であるほど希望と肯定のエネルギーで困難をともに乗り越えていくことを希望する。

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