新型コロナウイルス感染症に関する治験に参加した人の8割強が肯定的な印象-。治験参加者の募集や情報提供サイトなどを運営する3Hクリニカルトライアル(東京都豊島区)は、こんな調査結果をまとめた。実際に治験に参加した全国387人にアンケートしたところ、「とても良かった」「まあ良かった」と82・%が回答。また、治験に今後も参加したいとの回答も9割を超えた。

 2020年6月から新型コロナウイルス感染症へのワクチン・治療薬の開発支援に同社が乗り出すなか、参加者がどのように感じたかなどを探るためにアンケート調査を行った。期間は昨年12月21日から今年1月14日にかけてで、ウェブを通じ、回答を募った。

 まず新型コロナに関連する試験(治験)・研究に参加しての感想を尋ねたところ、「とても良かった」が50・4%と過半に達した。「まあ良かった」を加えると8割を超え、「あまり良くなかった」「とても良くなかった」を大きく上回った。

 肯定的な理由としては、「開発への貢献」「ワクチンが接種できた」が多いといい、「ワクチン国産化への貢献」も目立った。一方、良くなかった理由には「接種証明をもらえない」といったことがあがった。

 続いて、新型コロナウイルス感染症関連でない試験(治験)・研究に今後も参加したいかを10段階で聞いてみると、「ぜひ参加したい」に相当する「10」を選択した人が54・8%と最多を占めた。参加に前向きなことを意味する「6」以上を回答した割合は94・8%となり、治験などへの参加意欲向上につながっていることがうかがえた。

 一方、家族や友人、同僚らに試験(治験)・研究の参加を勧めたいかに関しては、やや様相が異なった。推奨度を10段階で示してもらうと、「とても勧めたい」に当たる「10」は17・8%、1つ前の設問に比べ、大幅に下がった。最も多かったのが「8」の21・7%で、「5」の21・2%が続く。

 ただ、勧めることに後ろ向きな回答となる「4」以下の割合を合計すると28・2%と3割弱にとどまった。7割強の人が他人に治験を勧めることに肯定的なことが明らかになった格好だ。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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