通信キャリアやIT企業が保有するデータを用いて、外出自粛効果を把握する動きが広がっている。7都府県を対象に緊急事態宣言が発令された7日以降、繁華街を中心に人口は減少傾向を示した。一方、識者は現状では収束が見通せないとの見解を示し、政府は緊急事態宣言を全国に拡大した。通信キャリア、IT企業各社は、人口推移や関連データを適時公表して外出自粛を喚起し、感染拡大防止につなげようと奮闘を続ける。

 NTTドコモは、携帯電話ネットワークを用いて作成する人口統計「モバイル空間統計」のデータを提供。東京都は、新宿周辺の500メートルメッシュの人口増減率を公表。4月22日15時時点で、新型コロナウイルス感染拡大前の4週間(1月18日~2月14日)の平日平均に比べ69・3%減、緊急事態宣言前(4月6~7日)比で55%減少した。緊急事態宣言の対象が全国に拡大する前(4月15~16日)に比べ3・8%減となった。

 大阪府の梅田周辺はそれぞれ74・5%減、58・3%減、10・4%減と東京・新宿に比べさらに減少幅が拡大。同じく福岡県天神周辺は59・1%減、44・0%減、9・2%減。その他全国主要地域も平日に限れば日を追うごとに減少率が高まり、土日はさらにマイナス幅が拡大するが、再び平日に戻ると週末に比べマイナス幅が縮小する傾向を示した。さらなる平日の人口減が課題だといえる。

 ヤフーは、事業者向け「データ・ソリューション」サービスで、新型コロナウイルス感染症対策とその影響分析への活用を目的に、「全国主要都市来訪者・往訪者推移指数」などの自主調査レポートを発信。16日には、首都圏の移動動向をYahoo!乗換案内の検索量から分析したレポートを公開した。平日は休日に比べ2月下旬から3月中旬の検索量の減少幅が少なかったが、2月下旬段階で「東京」「品川」など、東海道新幹線発着駅の検索量がいち早く減少。企業が国内出張でのビジネス利用を控えた影響と推測している。

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