厚生労働省は7日、新型コロナウイルスワクチンの生産体制整備事業の助成先としてアンジェス、KMバイオロジクス、塩野義製薬、武田薬品工業、第一三共、英アストラゼネカの6社を採択したと発表した。武田薬品をのぞく5社は、開発参入している自社のコロナワクチンの日本での生産整備に補助金を活用する。武田薬品は米ノババックス社が海外治験を実施しているワクチンの日本での開発や製造、流通を担う。

 武田薬品の助成額は300億円で、光工場(山口県)で2億5000万接種分以上の生産体制を整える。ノババックスのワクチンにはこれまで富士フイルムやAGCの子会社も協力を表明している。

 塩野義は2021年末までに3000万人分以上のワクチンを供給する。同社は経済産業省のサプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金150億円に加え、厚労省からの助成金約223億円も獲得することになる。

 アンジェスは開発中のコロナワクチンの製造でタカラバイオやカネカ、AGCなどと連携しており、助成額は約94億円。このほか、KMバイオロジクスと第一三共はそれぞれ約60億円の助成を受け、開発中のワクチンの生産体制を整備する。

 アストラゼネカのワクチンの日本での原液の製造はJCRファーマが協力し、充填・包装・流通を第一三共、明治ホールディングスグループのKMバイオロジクスとMeiji Seikaファルマが受託。来年中に1億2000万接種分を供給する計画。

 厚労省のコロナワクチン生産整備の事業総額は約1300億円。今回の採択先は1次公募分。

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