三井化学と帝人は9日、三井化学が製造したバイオマスナフサ由来のビスフェノールA(BPA)を原料に帝人がバイオマスポリカーボネート(PC)樹脂を製造すると発表した。帝人は2023年前半までに松山事業所(愛媛県松山市)でISCC PLUS認証を取得して生産する。原料調達や生産量は開示していない。国内企業がマスバランス方式を用いてバイオマスPC樹脂を生産するのは初めて。

 三井化学は22年5月に大阪工場(大阪府高石市)でBPAに対するISCC PLUS認証を取得していた。フェノール事業ではすでに、フェノール、アセトン、BPA、α-メチルスチレンの4製品で同認証を取得しており、23年度末までにさらにエポキシ、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)を含む全フェノール・チェーン製品の認証登録を目指す。

 帝人がマスバランス方式を用いて化学品を製造する初の事例となる。石油由来原料からの切り替えが容易で、環境配慮型製品の選択肢が増えることから今回のスキームを構築した。バイオマスPCは今後、自動車のヘッドランプや電気・電子部品などに幅広く提案していく。

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