昭和電工マテリアルズは27日、キッズウェル・バイオと再生医療等製品の製法開発と治験薬製造に関する基本取引契約を結んだと発表した。キッズウェル・バイオが開発中のヒト乳歯歯髄幹細胞(SHED)の特徴を生かした再生医療等製品の実用化に向け、昭和電工マテリアルズの再生医療子会社が製法開発を行い、2024年中の治験薬製造を目指す。

 昭和電工マテリアルズ子会社ミナリス・リジェネレイティブ・メディスンは、キッズウェル・バイオが構築したSHEDマスターセルバンクを活用し、製法開発と治験薬製造を進める。同治験薬を用いた治験は、キッズウェル・バイオが製薬企業や医療機関をパートナーとして実施する予定。

 ミナリス・リジェネレイティブ・メディスンは、日米欧の3極に拠点を構え、再生医療の開発・製造受託(CDMO)事業を展開し、治験薬や医薬品を製造している。3Dバイオリアクターを用いた細胞培養で、製造コスト削減や品質向上などが可能な細胞の大量培養技術を確立している。

 キッズウェル・バイオは、これまでの研究から脊髄損傷や脳性まひなどの疾患に対するSHEDの有効性を示すデータを取得している。構築しているSHEDマスターセルバンクは、再生医療等製品を製造するための元となる種細胞で作製したセルバンクで、エクソソームなどの原料や遺伝子治療における活用も検討されている。

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