武田薬品工業は7日、米ノババックスから導入した新型コロナウイルスワクチンについて、1億5000万回分の供給契約を厚生労働省と締結したと発表した。光工場(山口県)で製造し、年明けにも供給を始める。

 来年初頭から約1年間で、ノババックス製コロナワクチン1億5000万回分を供給する契約を結んだ。ノババックスが最初に開発している2回接種のワクチンとともに、3回目接種(ブースター接種)用や変異株に対応した改良ワクチンも対象になる。最初のワクチンは新興・途上国で申請手続きを始めているが、日本では未申請。申請時期は明らかにしていないが、年内に国内治験の結果を発表し、最短で年明けの供給開始を目指している。

 日本向けの生産は、武田薬品の光工場で行う。同工場で製造するワクチン原液とノババックスが供給する免疫増強剤(アジュバント)を充填して作る。アジュバントはAGCの海外子会社などが製造受託。光工場では、ノババックス製を年2億5000万回分製造できる体制を準備する契約を結んでいる。来年の生産能力で残る1億回分は、海外への供給も検討する。

 政府が来年の供給分として確保したコロナワクチンは、米モデルナ製の5000万回分と併せて2億回分になる。米ファイザーとも1億2000万回分の供給を前提に協議中。ノババックス製はウイルス抗原のたんぱく質を細胞培養して作るワクチン。モデルナ、ファイザー製や英アストラゼネカ製とは種類が異なる。

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