米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンに異物が混入していた問題で、同ワクチンを受託製造しているスペインの製薬企業ROVI(ロビ)は26日、異物が報告されたのは日本のみに納入された製造ロットであることを明らかにした。

 ロビは同日付の声明文で、日本で報告されているバイアル内の異物が「粒子状物質」であることを認め、該当するバイアルはすべて日本向けに出荷された製造ロットに含まれることを説明した。異物混入の原因は「ロビの製造ラインにある可能性がある」とし、日本で流通を担う武田薬品工業やモデルナ、薬事当局と協力しながら問題解決を図ることを確認した。粒子状物質の詳細は明らかにしていない。

 海外報道によると、欧州医薬品審査庁(EMA)も調査を開始した。異物混入の原因とともに、欧州向けの供給にも影響がないかモデルナに確認しているもよう。

 ロビは医薬品開発製造支援(CDMO)事業などを手がける製薬企業。昨年7月にモデルナ製ワクチンの受託製造契約を結び、日本向けの同ワクチンはすべて同社が製造している。当初はワクチン原液の充填・包装工程のみを受託していたが、今夏からワクチン原液の製造も始めている。充填・包装の製造能力を2倍以上にする拡張工事も進行中。

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