ダイセルは20日、連結子会社のポリプラスチックスを完全子会社化すると発表した。セラニーズが子会社を通じて保有するポリプラ全株式の45%を15億7500万ドル(約1685億円)で取得する。株式取得日は未定。ポリプラの完全子会社化により、エンジニアリングプラスチック事業を中核としてダイセルの連結売上高の4割を占める合成樹脂分野の事業再編を加速し、グループ内にあるさまざまな製品群のシナジー最大化を目指す。

 ポリプラスチックスは1964年の設立で、ポリアセタール(POM)、液晶ポリマー(LCP)で世界シェアトップなどエンプラメーカーとして高い地位を構築している。従業員数は約2130人、2020年3月期の売上高は1354億円、純利益124億円。

 ダイセルとセラニーズは酢酸、酢酸セルロース、アセテートトウなどよく似た事業構造を持つ企業として、ポリプラ設立以前からの良好な関係の下、良好なパートナーシップを継続してきた。ただ、事業環境が激変する中で知的財産を巡る係争が生じたり、ポリプラの成長を巡り意見の相違が生じたるする場面もあった。昨年来、トップ同士の対話を通じて諸課題の解決を模索し、このほどダイセルの完全子会社化で合意した。

 ダイセルは今後、昨年10月に実施したコーポレート改革にポリプラの改革を一体で進めていき、共通原料の調達や人財の交流など、間接部門の業務効率、資産効率の最大化を図る。さらに5G(第5世代通信)、電気自動車、電子材料などエンプラの成長領域で新事業開発におけるシナジー効果を追求していく。

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

HP独自・先行の最新記事もっと見る