三井化学は14日、歯科材料事業を強化するため、一部出資する松風および連結子会社サンメディカルとの業務・資本提携を強化すると発表した。第三者割当増資により松風に対する三井化学の出資比率を20%強に引き上げるほか、サンメディカルに対し松風が新たに20%出資する体制とする予定。3社は新製品開発の促進、製品ラインアップの拡充、国内外販売ネットワークのシナジー追求、生産機能の補完・共有の検討などを進める。これをベースに、国内の更なる提携強化や世界における歯科材事業の提携強化を協議する方針。

 3社は2009年に業務・資本提携を結び、各社の得意技術を生かした歯科材事業の拡大を進めている。三井化学は国内市場を中心とするサンメディカルが接着材料などを手掛けているほか、買収した独クルツァーがグローバルに歯科材料・機器・装置などを展開している。松風は人工歯や研磨材、ワックス製品、機器など歯科分野で幅広く事業を展開している。

 今回、松風が第三者割当増資を行い三井化学が新株を引き受けることで、松風の発行済株式総数に対する三井化学の保有割合は現在の11・17%から20・01%となる。第三者割当増資の払い込み期日は6月15日。一方、松風は三井化学が保有するサンメディカルの発行済株式総数の20%にあたる株式を取得する。これによりサンメディカルの出資比率は三井化学50%、歯科材などを手掛けるニッシン30%、松風20%となる。サンメディカルの株式譲渡も6月15日の予定。

 三井化学は成長3領域の1つにヘルスケアを位置付けており、歯科材事業はヘルスケアの主力の1つ。今回の業務・資本提携強化のもと国内外で更なる提携強化を目指すとしており、歯科材事業の拡大につなげる。

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