トクヤマの2020年4~9月期決算は減収減益となった。主力の化成品でカ性ソーダの収益が悪化。ライフアメニティーでは欧米への輸出減が響いた。通期業績は連結除外となるフィルム子会社の売上分を下方修正したものの、ほぼ期初予想通りを見込む。下支えするのは半導体関連。28日にウェブ会見を開いた同社横田浩社長はポリシリコンの販売見込みについて、「20年度については17、18年度並みの受注状況。需要自体は間違いなく右肩上がりで上がってきている」と話した。セメントの利益改善も見込んでいる。

 4~9月期の売上高は前年同期比6・2%減の1432億円、営業利益は同11・4%減の129億円となった。部門別の営業利益は明暗が分かれた。化成品は同28・3%減。新型コロナの影響で経済活動が停滞したことでカ性ソーダの国内販売量が減り、海外市況も弱含んで収益が落ち込んだ。塩ビモノマーも海外市況下落の影響を受けた。通期業績ではカ性ソーダの不振を織り込み、同部門の利益を10億円下方修正した。

 ライフアメニティーでは海外市場での展開に注力している歯科材料や、眼鏡レンズ材料がコロナにより欧米からの引き合いが減ったことで、営業利益は同47・3%落ち込んだ。

 半導体関連が多い特殊品はシリカの販売が減少したものの、5Gの導入やテレワークの増加を背景にポリシリコンが堅調に推移。高純度薬品も伸び、同2・4%減と小幅な落ち込みにとどめた。

 セメントは同約2倍の増加。広島の復興需要を取り込んだうえ、石炭など原料価格の下落により利益が回復した。

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