アステラス製薬は6日、創薬を担う研究組織を10月1日付で刷新すると発表した。重点とする6つの研究領域ごとにバイオベンチャー企業のようなアジャイル型の組織体を作り、それぞれで前臨床試験や臨床試験、原薬開発などの機能を完結できるようにする。機能別組織がバトンをつなぐ従来型から大きく転換する。自律的で機動的な研究体制に改め、優先テーマに経営資源を集め、実用化を加速する。 

 研究本部を発展的に解消し、「創薬アクセレレーター部門」をチーフ・サイエンティフィック・オフィサー(最高技術責任者)の管轄に置く。同部門には腫瘍直接阻害研究やミクログリア研究、自然免疫研究など6つのベンチャーユニットを配置する。

 製薬会社の研究開発体制は、前臨床試験までの基礎研究、臨床開発、原薬や製剤の研究などの機能ごとに組織を据えるケースが多い。アステラスの新組織はこうした機能を各ベンチャーユニットそれぞれが持ち、研究の初期段階から実用化を見据えて開発を進めやすくなる。

 初期研究段階で外部との提携や投資機会を開拓する研究パートナリング部門、買収した企業に研究支援を行うアフィリエイトエンゲージメントなども10月に新設する。

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