厚生労働省の専門部会は21日、新型コロナウイルス感染症の肺炎の治療薬として米製薬イーライリリーの経口薬「オルミエント」(一般名・バリシチニブ)を承認する結論を出した。すでに関節リウマチやアトピー性皮膚炎の薬として承認され国内に流通しているため、いち早くコロナ治療に使える。厚労省が近く正式承認する。

 コロナの承認薬は、昨年5月に特例承認した米ギリアド・サイエンシズの「ベクルリー」(一般名・レムデシビル)と、ステロイド薬「デキサメタゾン」に続く3品目。

 オルミエントは、細胞内の酵素ヤヌスキナーゼ(JAK)の働きを阻害する経口薬で、炎症の原因の生理活性物質サイトカインを抑える。コロナの診療の手引きには、適応外使用の候補薬として記載されている。

 特例ではなく通常の承認を適用する。承認の根拠としたのは米国立アレルギー・感染症研究所の医師主導治験(ACTTー2試験)の結果。レムデシビルとの併用で、レムデシビル1剤を投与した場合に比べて、症状改善までの期間を平均1日程度短縮した。

 効能・効果は新型コロナによる肺炎で、酸素吸入を要する患者に限る。小児には使えず、成人のみ。レムデシビルと併用し、継続投与期間は2週間まで。今年4月から2022年2月に患者4500~6000人に使われる見通し。

 海外では米国が同様の効能で昨年11月に緊急使用許可(EUA)を出している。承認している国は2月時点でないという。

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