新型コロナウイルスワクチンの接種が17日、国内でも始まった。14日に特例承認された米ファイザー製品を使い、まずは国立病院100カ所の医療従事者4万人が先行して接種する。日本で最初に接種を受けた国立病院機構東京医療センターの新木一弘病院長は、「ワクチンが行き渡って、職員自身が原因となる感染を防ぐことは必要。先行接種受けられることは非常にありがたい」と語った。

 同センターでは有害事象が起きた場合の医療提供体制などを考慮し、希望者の約半分にあたる800人をまず接種する。初日の17日は医師や看護師ら12人が接種を受けた。今後は1日60人程度に接種する。1バイアルで6回接種できるシリンジを使用し、1日の接種者数が6の倍数になるよう調整しているという。

 来週までに国立病院機構の医療機関100カ所すべてで先行接種が始まり、2回目の接種は3月10日以降に行う。厚生労働省は4万人のうち2万人の健康状態を観察し、公表する。先行4万人以外の医療従事者約370万人への接種を3月までに行い、高齢者への接種を4月に始める。向こう1年で全国民への接種をめざす。

 ファイザーのワクチンは欧州の工場で製造され、日本への輸出の度にEUの承認が必要だ。12日に届いた第1便の供給量は約6万4000バイアルで、約19万人分に相当する。現時点で決まっているのは来週届く第2便まで。ワクチン接種事業を担う河野太郎規制改革相は16日の会見で「円滑な接種を進めるためにEUとしっかり交渉する」と話した。

国内で初めて新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける国立病院機構東京医療センターの新木一弘院長(左)=17日午前8時57分、東京都目黒区(代表撮影)

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