厚生労働大臣の諮問機関である薬事・食品衛生審議会(薬食審)医薬品第二部会は20日、ファイザー日本法人が申請した5~11歳向けの新型コロナウイルスワクチン、中外製薬が申請したコロナ重症患者向けの治療薬について特例承認を了承した。あす21日にも厚労省が承認する見通し。

 5~11歳に接種する有効成分の用量は1回10マイクログラムで、12歳以上の場合の3分の1。取り違えなどを回避するため、12歳以上に使われている既存のファイザー製ワクチンとは別の「コミナティ筋注 5~11歳用」として実用化する。初回免疫として3週間隔で2回接種する。

 ファイザーが5~11歳を対象に海外で実施した臨床試験では、2回目接種後の中和抗体価は16~25歳の抗体価と同等以上に上昇し、発症予防効果を示す有効率は90%超を記録した。オミクロン株に対する臨床試験データはまだなく、抗体価や感染予防効果は従来より低下する可能性が報告されているが、重症化の予防効果としては「一定の有効性は期待できる」(厚労省)と判断された。

 26日に開催する専門家による分科会で、5~11歳に対する臨時接種としての実施要領などを議論する予定。現時点でファイザーからのワクチン供給が2月以降になるため、実際に接種が始まるのは3月以降になる見通し。5~11歳の国内人口は約700万~800万人。

 中外製薬の抗体医薬「アクテムラ」をコロナ治療薬として使えるようにする承認も了承。同剤は関節リウマチなどの治療薬として販売されているが、コロナ重症患者の免疫暴走による肺炎に対しても効果が期待されている。酸素吸入が必要なコロナ重症肺炎に対する治療薬として特例承認される予定。ステロイド剤「デキサメタゾン」と併用する。国内で使用が認められたコロナ治療薬としては7剤目になる。

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