ニプロは12日、残液が少なくなるワクチン接種用シリンジの生産に乗り出すと発表した。薬液が残りやすい先端スペースを通常のシリンジの約15分の1に圧縮。ファイザーの新型コロナウイルスワクチン1瓶から7回分、接種ができるようにした。来月から大館工場(秋田県大館市)で製造を開始し、タイでも生産体制を整える計画。今年度に約5000万本の供給を見込む。

 生産を始めるのは「ニプロVAシリンジ」。3月25日付で一部変更承認を取得した。新型コロナワクチンの接種開始によるシリンジ需要を踏まえ、より効率的に薬液を吸引注入できるシリンジとしてニプロが開発を進めていた。

 針の長さを25ミリメートルと確実に筋肉に届くように設計。太さも0・5ミリメートルとすることで、操作性の高いデザインとした。針と外筒を一体型としているのが特徴だ。同社の社内検証では1瓶から7回分の薬液を採取可能なことを確認している。

 また、これとは異なるタイプのワクチン接種用シリンジについても増産体制を構築した。増産幅は、2021年度分で約5000万本。合計で年1億本のシリンジを供給できるようにしていく。

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