中外製薬は25日、同社創製の抗体医薬品「アクテムラ」が新型コロナウイルス感染症薬として米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可(EUA)を取得したと発表した。人工呼吸器をつけるなどの重症患者が対象。同じスイス・ロシュグループである米ジェネンテックがFDAに申請していた。日本については「引き続き年内の承認申請を目指していく」(中外製薬)方針だ。

 5500人以上の入院患者を対象とした4つの治験の結果に基づき、FDAに申請を行っていた。関節リウマチの治療などに用いるアクテムラだが、新型コロナウイルス感染症の重症患者で生じる過剰な免疫反応、いわゆるサイトカイン・ストームの抑え込みに効果があるとして、多くの医療現場で使われている。また、推奨薬として同感染症の治療指針に載せている国・地域もある。

 これまでアクテムラをめぐっては、内外で複数の臨床試験が実施されてきたが、英国での大規模治験では死亡リスクが低くなるとの報告が出る一方、ロシュによる治験では主要評価項目が未達に終わるなど異なる結果が出ている。

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