高砂香料工業は、20年後のあるべき姿を描いた「Vision2040」と、2021年4月を起点とする次期3カ年中期経営計画「New Global Plan(NGPー1)を策定した。ビジョンで目指す40年の定量目標を売上高3000憶円、営業利益150憶円。また、ビジョン展開の最初の新中計は、3年後の24年3月時点の売上高1700憶円、営業利益75憶円と定めた。

 同ビジョンでは、創業精神を「技術立脚の精神に則り社会に貢献する」(元企業理念)とし、これに加え、新しい企業理念「香りを原点とする革新的な技術を通して、新しい価値を創造し続ける」を定めた。「人にやさしく、環境にやさしく」をスローガンに、姿勢として①多様な価値観を尊重する②自然と共生し、人々の生活に彩りを与える③夢と誇りを持って未知の世界へ挑戦する④常に高い技術を追求する、かけがえのない会社を同社グループが一丸となり達成を目指す。

 新中計では、海外事業の成長、国内の利益改善、サスティナビリティの推進を3つの基本方針に、フレーバー事業ではアジア市場にフォーカスするととに、天然素材ポートフォリオの拡充、革新的フレーバの開発、代替肉製品への技術ソリューション提供などを重点化。フレグランス事業は、多国籍企業や主要ローカルへのリソース集中、香り周辺技術や環境配慮の香料開発を推進する。

 アロマイングリディエンツ事業は、既存品のバイオプロセスへの変更、自然由来品の開発、害虫忌避剤など新規市場へと展開。ファインケミカル事業は、製造能力の増強、触媒製造体制の効率化、連続フロー技術の深化と触媒技術の融合による合成技術の差別化を図る。研究開発ではバイオサイエンス、人工知能(AI)など先端科学の技術創成、SDGs貢献を意識した製品開発を進める。

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

HP独自・先行の最新記事もっと見る