JNCは24日、韓国のSKマテリアルズと有機EL材料の合弁会社を設立すると発表した。青色発光材料などの有機EL材料を手掛けるJNCは、半導体・液晶関連材料を手掛け韓国パネル大手との関係が深いSKマテリアルズと組むことで同国市場の開拓を強化する。

 韓国の京畿道華城市にJNCが49%、SKマテリアルズが51%出資する新会社「SK JNC」を2021年1月に設立する。JNCは20年12月に設立する100%子会社に有機EL材料事業を移管。子会社の全株式と、有機EL材料の特許や商標を売却する対価として新会社の株式を取得し、子会社は新会社の傘下に入る。

 JNCは色の純度や発光効率で世界最高水準の青色発光材料(ドーパント材料、ホスト材料)や電子輸送材料などの有機EL材料を手掛ける。韓国勢の液晶から有機ELへのシフトが鮮明になる中で、パネルメーカーと太いパイプを持つSKマテリアルズとのネットワークを同国市場での販路拡大に生かす。有機EL材料への参入を検討してきたSKマテリアルズはJNCの高い技術力に着目し、合弁化を決めた。

 JNCは事業移管後も水俣製造所(熊本県水俣市)で有機EL材料の生産は継続する。有機EL材料に携わる研究開発や営業の担当者は子会社と新会社に出向する。有機EL材料事業として22年度に営業黒字化を達成し、中長期的に売上高100億円規模を目指す計画だ。

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