デンカは、新型コロナウイルス抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を取得、13日に発売する。鼻咽頭から採取した検体から同ウイルスに対する抗原の有無を約15分と短時間で判定する。特別な機器を不要なため、診療所のような一般医療機関でも簡単に検査が行えるのが特徴だ。五泉事業所(新潟県五泉市)で日産最大10万検査分の体制を整え、全国の医療機関に紹介していく。

 発売したのは「クイックナビCOVID19Ag」。ラテックス凝集法を原理としたイムノクロマト法によるキットとなり、体外診断薬として11日付で承認を取得した。希望価格は10回用で6万円。販売提携している大塚製薬は、9月1日に発売する。

 今年2月に、デンカは国立感染症研究所(感染研)とともに、新型コロナウイルス検査キットの開発に着手。感染研から抗体と抗原の分与を受け、製品化を進めていた。7月には承認申請を行っていた。通常、1年半から2年かかるところ、関係官庁などとの連携を通じ、約半年で承認取得へと漕ぎ着けた。

 今後、同キットの改良を進め、判定時間のさらなる短縮や検体対象の拡大などにも取り組む。併せて、一度の検体採取でインフルエンザと同時判定可能なようにすることも目指す。

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