立春を迎えて東京では梅の開花の知らせが届いたが、天気予報によると冬らしい気候がしばらく続きそうだ。1月は全国的に例年より寒さが厳しく、日本海側を中心に雪がたくさん積もった。ガス使用量は12月に比べ大幅に増えてしまい懐も寒さが募る▼日本に寒さをもたらす原因の一つがラニーニャ現象。太平洋赤道域で日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面の温度が平年より低くなる一方、インドネシアあたりは積乱雲の発生が多くなる。その影響を受けて偏西風は日本付近で南に蛇行し、西から寒気が流れ込みやすくなる▼大雪は交通網の混乱を招くなど悪者扱いだが、北国にとっては大切な観光資源でもある。2年続けて実質的な中止となってしまったが、さっぽろ雪まつりは通常であれば200万人規模の観光客が訪れる一大イベント。地元は経済効果に大きな期待を寄せていただろう▼雪や氷は再生可能エネルギーの資源としても注目されている。積もった雪を貯蔵しておいて夏場の冷房に使えば、節電とCO2削減の一石二鳥になる▼きょうは北京冬季オリンピックの開会式が行われる。大量の人工雪を使うことは環境面への影響に加えて、雪質が硬くなるため怪我のリスクが高まるとの指摘がある。選手たちには最高のパフォーマンスを発揮してもらいたいところだが。(22・2・4)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

セミナーイベント情報はこちら

精留塔の最新記事もっと見る