「最近の若い者は」とくれば、大方は否定的な言葉が続く。これも世代による価値観の相違。かつて山本五十六は、その言葉を使わず「何ができるか、とその可能性を発見してやってくれ」と言ったそうだ。確かに、パソコンや電子機器を抵抗なく使いこなす若者を見ていると頼もしくもある▼だが、行き過ぎは困る。パソコン、スマホでネットやゲームに夢中になる。とくに楽しいことが大好きな子供達はおもしろいユーチューバーにはまり、友達との対戦ゲームに明け暮れる。昔だったらマンガの見過ぎであり、いつの時代でも同じようなことは指摘される▼香川県が2020年に施行した「ネット・ゲーム依存症対策条例」、いわゆるゲーム条例は合憲と判断された。18歳未満のゲームは平日60分、休日90分などとした同条例は、憲法13条が保障する幸福追求権や自己決定権を侵害し精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求めた訴訟の判決で、高松地方裁判所は訴えを退けた▼裁判長は「ネット・ゲーム依存症は予防や治療を必要とする場合があるのは明らかで、保護者に努力を促す条例を作ったことは合憲」とした。だが、この条例を引き合いに出せば子供らに反発されかねない。「そういうことを言ってるから今の大人は」と言われないよう、もちろん話し合いは大切だが。(22・9・7)

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