新入社員の理想の上司・先輩は「丁寧に指導する人」と7割が答え、「叱ってくれる人」や「情熱を持っている人」は10年前から大幅にダウン。日本能率協会が今春実施したインターネット調査の結果だ。Z世代には、背中を見せて育てるといった昔ながらのやり方だけではだめな時代である▼この調査では、意欲や能力を高めるため上司や人事に期待することとして、ワークライフバランスがとれ柔軟に働ける環境づくりを要望する人が半数を占めた。また、仕事は量より質で評価してほしい人が8割だった一方で、仕事よりもプライベートを優先したい人も同じ割合いた▼先日のテレビ番組の調査では、20代の多くが将来出世したくないと答えていた。これは世界的な傾向だという。米国の調査会社によると、職務は果たすが、心理的には仕事に集中していない「静かな退職者」が同国の働き手の約半数を占める可能性を指摘。中国の若者たちの間では、過酷な競争社会を生き抜くことを諦め、最低限の生活を送る「寝そべり主義」が台頭している▼コロナ禍でリモートワークや時差出勤が推進され、働き方に対する考えが大きく変化する契機になった。WHO事務局長は先週、「終わりが見えてきた」と発言した。アフターコロナの世界では、働き方はさらにどう変化するのだろう。(22・9・21)

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