コロナ禍においてもデジタル分野をはじめとするスキル人材不足が深刻なようだ。Eコマース、Eラーニング、ゲームなどのアプリ・ウェブ開発、データサイエンティストへの求人が増加傾向にある▼グローバル人材の転職支援を手がけるロバート・ウォルターズ・ジャパンが首都圏・関西圏の採用動向をまとめた。こうしたステイホーム関連サービスの人材需要が高まっていくのは当然の流れといえる▼製造部門では、やはり自動車関連でコネクテッドカー、自動運転領域のソフトウエアエンジニアリングに対する引き合いが強い。各社が環境・エネルギーへの取り組みを強化するなかで、バッテリー分野などに携わってきた研究開発人材の需要も増えそうだと指摘している▼医療関連では、いわゆる「ヘルステック」で経験者の取り合いがみられる。新しいビジネス領域だけに経験者が少ないことが背景にある。バイオベンチャーでは創薬研究者に加えて、新規ビジネス開拓を担う営業職が求められている。研究成果の収益化が求められるようになったのだろう▼会社員が雇用主に期待することも変化している。トップはインスピレーションをくれたり切磋琢磨できる同僚となった。在宅勤務は社員交流が希薄になりがち。改めてコミュニケーションの重要性を示した結果ではないか。(21・1・29)

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