日本人は休み下手と言われているが、在宅勤務の定着によって生活のオン・オフの切り替えが難しくなると、有給休暇を取るタイミングもつい逸してしまうのではないか。年度末の3月は仕事が忙しくなる一方で有休消化率が気になる月でもある▼旅行予約サイトのエクスペディアが行っている有給休暇の国際比較調査によると、2020年は例年と比較して世界的に取得日数が少ないことが明らかになった。ドイツやフランスは通常の取得日数に比べて減ったとはいえ取得率は83%。台湾は何と100%だった▼日本は通常の取得日数の10日に対し20年は9日と1日減り取得率は45%。日本が減ったことには驚かないが、アメリカ、オーストラリアなど7カ国が日本より少ない取得日数だったことは意外だった▼休暇を取らない理由をみると、世界的には「新型コロナウイルスの影響でどこにも旅行できない」が最多だった。これに対して、日本は「緊急時のために取っておく」が最多で、19年と同じ結果。何のための休暇なのか、スタンスの違いが浮き彫りになったといえまいか▼我が身を振り返ると、年末年始やお盆に設定された有休奨励日で取得日数は増えたものの、自発的ではなく会社の都合で取らされるのはどこか腑に落ちない。自分なりの休み方改革を考えてみようか。(21・3・5)

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