80年代のトップアイドル、中森明菜が活動を再開する。本人がツイッターを立ち上げて報告した。スポーツ紙や夕刊紙、女性誌の電子版のほか、ネットニュースがこぞって取り上げていた▼彼女が「ミ・アモーレ」で日本レコード大賞を受賞したとき私は中学1年生。その絶頂期を知っている。しかし、ほかの世代はどうなのだろうか。彼女のことは知っているかもしれないが、活動再開の報を受けての、このような盛り上がりに共鳴できないのではないだろうか▼今年がデビューから40年にあたるという。そこで今の若者の感覚を知るべく、自分が20歳だったときがデビュー40年にあたる芸能人を調べてみた。ネット検索でヒットしたのは江利チエミ。1952年にデビューシングル『テネシーワルツ』が大ヒットし、美空ひばり、雪村いづみとともに「3人娘」と称された当時のトップアイドルだ。82年に他界したので現役の姿を見た記憶はないが、存在は知っていた。私にとっては芸能史上の人物である▼ただ、今の若者にはインターネットがある。時代や地域を越えて、さまざまな音楽を聴くことができる。ネットの世界で中森明菜は歌い続けている。若いファンがいるならば、“伝説”を目の当たりにできる喜びに、往時を知る世代よりも心を弾ませているかもしれない。(22・9・8)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

セミナーイベント情報はこちら

精留塔の最新記事もっと見る