まだまだ蒸し暑い日が続いているが、日が沈むとめっきり涼しいと感じるようになってきた。夜空を見上げると星がきれいだ。何万光年というとてつもなく遠い星を見ていると、宇宙の広大さが身に染みてくる▼138億年前、宇宙は超高温・超高密度の火の玉「ビッグバン」の急膨張によって誕生したとされている。それ以来、多くの星が生まれては死んでいった。星はガスや塵の集合だが、燃料を使い果たすと爆発し、大量のエネルギーと物質を撒き散らして死を迎える。地球や太陽の寿命は40億~50億年後とされている▼星の死によって撒き散らされる物質は種類を増やしていき、それらがまた新しい星を作る材料となる。地球の場合は水素からウランまで90種類前後の天然の元素が存在するが、これらはみな遠い昔、星々の死によって生まれたものだ。そして我々人間の血液を調べると、このうち80種類近い元素を確認することができるらしい。人間も宇宙の一部であることが実感できる▼今年の天体現象のメインイベントは、11月8日の皆既月食。全国各地で夕刻から夜にかけ見ることができる。この日は同時に天王星食というレアな現象もある。天王星は地球から遠いので普段なかなか見られないが、この日は月が目印となって確認しやすいらしい。秋の夜長が楽しみだ。(22・8・29)

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