最近、新聞などで目にするようになった「ステルス」には内密とか人目を忍ぶといった意味がある。新しいところではオミクロン株の新しい亜種「BA.2」が海外の一部の変異株PCR検査をすり抜けることから、ステルス・オミクロンと呼ばれる。日本では検査方法が異なるためオミクロン株として検出が可能という▼ステルスという言葉が知られるようになったのはステルス戦闘機の登場が契機ではないか。1991年の湾岸戦争で配備された米軍の「ナイトホーク」のことで、レーダーに捕捉されにくいため敵陣への接近が容易になる▼消費者に宣伝と気づかれないようにPRする手法がステルスマーケティング(ステマ)。口コミを装って商品やサービスを褒めたり、有名人に宣伝を依頼した事実を隠したり。昔も今も姿を変えて「サクラ」は私達を欺こうとする▼昨年後半から続く食品の値上げ。原料費に加えて加工費、輸送費も上がれば致し方ないと思うのだが、ポテトチップスなどでは中身を減らして価格を変えないステルス値上げも出てきた。顧客離れを防ぐ苦肉の策だが、果たして効果はあるのだろうか▼オミクロン株の話に戻るが、自覚症状がないのに感染している場合があるのが怖いところ。ステルス性があるため感染が広がってしまったようだ。用心の日々は当面続く。(22・2・18)

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