きょう10月14日は「国際標準化デー」。1946年のこの日、国際標準化機構(ISO)の創設が決まったことにちなみ、1960年に制定された。わが国ではこの日を含む10月を「産業標準化推進月間」として、経済産業省が様々な広報活動を展開している▼ちなみに令和2年度産業標準化事業表彰の内閣総理大臣賞は東郷製作所社長の相羽繁生氏が選ばれた。2004年のISO/TC227(ばね)の設立と同時に国際幹事に就任し、現在まで15年以上にわたりこの分野の国際標準化活動を主導したという▼標準化の歴史をひもとくと興味深い。その歴史は度量衡や建築構造物が生まれた古代から始まっている。シュメールやエジプト文明の計量単位の統一や、秦の始皇帝が統一国家を作るために文字や度量衡を統一したことが有名だ。近代以降では、子午線上で赤道から北極までの距離の1000万分の1を「メートル」と定義した話はどこかで聞いたことがあるだろう▼一般的にルールは、決めた者に有利に働くとされる。標準化も同じで、自ら提案し主導することが重要になる。経産省の昨年の報告である「標準化に関する最近の動向」によると、標準化等のルール形成に積極的な企業が少なく、標準化を担う人材も若手を中心に不足しているという。心配なことである。 (20・10・14)

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