禁酒はやっぱり難しい。なんとかがんばって週に1日の酒抜きはできているが、推奨されている連続2日は難しい。きのう我慢したんだからきょうはいいだろう、とかなんとか▼〈肝臓に会って一献ささげたい〉(俊秀)。まったくの同感。もちろん休肝日でない日に、自分も酒を呑みながらだ。成人してからこのかた、働きづめの肝臓に感謝の念を込めて、また今後の自戒もこめて、この日は酒断ちを、といきたいが、それじゃあ無粋だ、野暮すぎる。お世話になっている肝の臓さんと、遠慮気兼ねなくしゃべりたい。〈胸襟を開く薬を酒という〉(翠公)▼さはさりながら、一献ささげてよいものか。健康診断がつい先に待ち構えている。今年は酒量が多かった。山の神も、悪気じゃなかろうが嫌みをくれる。「なにかといえば薬、サプリの心配性なんだから、悪い数値が出ないようにしてくださいな」▼世の中なべて心配性のこの節、住みにくいことこの上ない。すると「安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る」。出典言わずもがなの名文句の「詩」と「画」に、「笑」と「酔」を付け添えよう▼〈横丁に一つづつある赤提灯〉。肉が焼け醤油が焦げるにおいと笑い声につつまれたい。もちろん、かの安全対策は忘れずに。(20・9・23)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る