スーパーやコンビニなどで会計時にレジ袋の要否を問われるのは当たり前になった。だが、聞かれ方にもよるが、うまく通じないケースもある。例えば「袋はどうしますか?」に対する「いいえ」との返事。全く会話として成り立っていないが、これで大概は通用する▼過去には「いいえ」の返事で袋を渡されたこともあるが、その時は多分、「袋は大丈夫ですか?」とでも聞かれたのだろう。少し急いでいても、ちょっと面倒でも、人の話はちゃんと聞いた方がいいと反省する▼他から聞こえてくる返事は「大丈夫です」、さらに有無も言わせず「袋は大丈夫です」と宣言しておく手もある。問われ方に関係ない「このままで結構です」もあるが、これだと少し硬く、冷たくも感じてしまう▼いろいろ考えた挙句、最近では「大丈夫です」をよく使う。ただこの返事、レジ以外では注意が必要である。「大丈夫」は近年、必要か不要か、可か不可、承諾または否などの意味で多用される。「今晩空いてる?」「大丈夫です」などと当たり前に使っている▼便利な言葉だけに細心の配慮が求められる。日本語の曖昧さもあって、これらを巧みに使いこなす政治家の話などは聞き流すわけにはいかない。話す側もはっきりと。レジでの「大丈夫」も、まさか頑丈な袋を渡されることはないだろうが。(21・5・20)

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