猛烈に暑い日々が終わり、涼しい秋の気配を感じる季節になった。4月に入社した新入社員もようやく仕事を覚え始めた頃であろうが、コロナ禍で在宅勤務を余儀なくされ、モチベーションが思うように上がらない人も中にはいるだろう。新入社員に限らず、自分を見つめ直す時間が増えた人は多いはずだ▼ウサギとカメの童話を知らない人はいないだろう。足が速いウサギが負け、鈍いカメが勝つ。怠けることなくコツコツと努力すれば報われる教訓として小さい頃に聞いた話だ。しかし本質は、ウサギはカメばかり見ていたから負け、カメはゴールを明確に意識していたから勝てたのでは、と思えてくる▼ウサギのように周囲ばかり気にしてゴールを見失うのではなく、カメのように目的意識を明確にして一歩ずつ着実に進むことが結果につながる。人生はウサギやカメのレースと違って長い道のりであり、ゴールを設定するのは容易ではないが、あえてゴールを決め明確に意識し一歩を踏み出すカメでありたい▼ある社長に初めて取材に行く前、ゴルフが上手と聞いていたので、その話題を振ってみた。しかし「ゴルフは自然を楽しむことが目的」と返ってきた。周囲を気にし、スコアに執着していた自分が恥ずかしくなった。その境地までたどり着きたいものである(21・9・13)

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