4年に1度の五輪・パラリンピックは1年延期になったが、コロナの長期化を見越して合理化、簡素化が検討されているようだ。開閉会式での入場行進取り止め、セレモニーの縮小、聖火リレーの日程短縮、客席の間隔を空けるといった案だ。日本は「完全な形での開催」を目指したが、従来通りの夏の祭典とはいきそうもない▼5年に1度の国勢調査は予定通り今秋に実施される見通しである。国のさまざまな統計にも活用されている日本で最も重要な調査で、これに必要な調査員は全国で約70万人。だが、感染拡大を懸念してなかなか集まらないとの懸念もあり、総務省は調査員の募集期間延長を表明している▼加えて、これまで対面形式だった調査票の配布・回収は止めて、インターホンやドア越しでの説明、関係書類は郵便受けに入れる方向らしい。回答は原則として郵送かインターネットで受け付ける。前回調査で36・9%だったネット回答の比率は、今回は50%超を目指すという▼コロナ対策となる現金10万円の一律給付は、そこまでのレベルではないようだ。オンラインでの申請に不備が多いとして、各自治体は相次いで郵送での申請に一本化した。この間、企業や学校はオンラインへの取り組みを急いだ。一番対応が遅れているのが国だとしたら、余りにもスピード感に欠ける。(20・6・11)

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