コロナ禍の前はわりあいできていた週1~2回の断酒(休肝日)が、テレワークが始まってからできなくなってしまった。意志薄弱が根本的理由だが、そうとばかりも言えないようだ▼朝から夕方まで自宅でテレワーク。動かない景色の中で、ただコンピューターのディスプレイに向き合う。それなりにまじめに働いているつもりでも、夕方、仕事が終わってみれば充実感が明らかに前より減っている▼通勤の往復2時間あまりの運動がない。人と会わない、会話をしない、気を使わない…etc。頭と目と指ばかりを使って、体全体の疲労がない。そのため、終業に向かって時間とともに充実感が高揚していくということがない。家へ帰るという解放感もない▼それを埋めようとするのか、体がアルコールを求めだしているのが分かる。終業時間がやってきたら、家を飛び出してコンビニに向かい、冷えたビールを買ってくる。そして、ついつい常備の焼酎や日本酒も飲み始める▼飲み過ぎには注意だが、家で飲むと度を超すことはない。ほぼ食事の時間帯だけで終わってしまう。このときの酔いが、「ああ一日が終わった」という感じを醸成するようだ。適量であっても、毎日飲めば肝臓への負担は大きい。休肝日翌日の朝の爽快な目覚めを思い出しながら、きょうも断酒に挑もうとする。(20・6・10)

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